Weber-Christian病について -自験一卵性双生児例,並びに本邦報告例の統計的観察-
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概要
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卵性双生児の双方に発症し,経過中に肺症状を呈し Die (Disseminated Intravascular Coaglopathy) 症候群および自癬性肉芽腫(Granuloma trichophyticumMajocchi)を合併した Weber-Christian 病(以下 W-C 病と略)の42歳男子例を報告した.本症の本邦報告例は日本医学中央雑誌343巻(昭和52年5月)までに自験例も含め207例あり,男女比は1:1.84, 20歳台に最も多く発症し,男では乳幼児期,女では壮年期が第2の好発年齢で,死亡率は 32,4% であった.佐藤の集計308)以降の本邦報告例136例につき詳細な統計的観察を試み,若干の興味ある知見を得た.すなわち,1)家族内発生 (一卵性双生児の双方および兄妹例)を認める. 2)本症の皮下硬結は全身のいかなる部位にも生じうるし,時に皮下硬結を欠き内臓脂肪織のみに本症が限局した症例もある,3)本症における白血球減少は重症もしくは予後不良の徴候と考えられる. 4) Die 症候群の合併を3例に認め,本症にしばしばみられる出血傾向はおそらく凝固線溶系の異常にもとづくものと考えられる. 5)本症のツ反陰性例のうち,乳幼児を除くと21例中7例が明らかに陰転化しており,本症における免疫異常の存在が考えられる.6)本症による肺病変を呈した6例があり,いずれも病勢と平行し,ステロイドに反応した. 7)本症の病理組織学的特徴は lipolyse とlipogranuloma の形成209) にあるが,小血管の変化も比較的多く認める. 8)剖検上本症は全身のあらゆる脂肪織に発症し得,肝では脂肪変性,肺では脂肪塞栓を認めることが多い.牌に onion skin lesion. 腎に hematoxylin body を認めた症例もある,などである.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
著者
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新村 真人
東京大学医学部皮膚科学教室
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新村 真人
東京大学医学部附属病院分院皮膚科
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飯島 正文
東京大学医学部皮膚科学教室
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滝沢 清宏
東京大学医学部皮膚科学教室
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溝口 昌子
東京大学医学部皮膚科学教室
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紫芝 敬子
関東逓信病院皮膚科
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