Farber病の1例 組織化学的,電顕的,生化学的検討
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概要
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稀な遺伝性疾患であるFarber病の1例を経験したので報告する.疼痛性関節腫脹,嗄声,口唇,肛囲の結節,精神発達遅延を呈し,2歳1ヵ月で肺炎のため死亡し,臨床症状および経過は典型的な症例であった.結節部の主たる組織学的所見は胞体内に蓄積物質を含有するマクロファージの集積像であり,電顕的にも多数の封入体が認められた.しかしながら,封入体は顆粒状物質から成る点で従来報告された所見と異なった.肝の脂質を分析すると,本症の特徴であるセラミド以外にガングリオシドを含む酸性糖脂質が蓄積していた.この生化学的所見は特異な電顕所見と符合するものと推測した.本邦で5例目の症例である.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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