Myxomaと点状色素斑を伴うCarneys complexの母娘例
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概要
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症例1:43歳,女.小児期より顔面,口腔内,指趾の黒褐色点状色素斑に気付いた.18歳以降,躯幹に腫瘤が多発したため切除術を受けたところ,いずれもmyxomaと診断された.両側乳頭・乳輪部に米粒大までの丘疹が多発し,左乳頭部には小指頭大の半球状に隆起した弾性軟の腫瘤が認められた.組織では,真皮より皮下にかけて境界鮮明な腫瘍巣が存在し,粘液様物質が主体をなし,その中で紡錘型または星芒状の腫瘍細胞が疎に散在している.症例2:19歳,女.(症例1の長女).小児期より顔面,指趾の黒褐色点状色素斑に気付き,11歳時に頚部の腫瘍を切除されmyxomaと診断された.左鼡径部に鶏卵大および雀卵大の常色腫瘤を認め,いずれも症例1と同様の組織所見を認めた.以上2症例の腫瘍をmyxomaと診断した.自験例2例とも心臓病変,内分泌異常は認められないものの,近年,Carneyらが独立した症候群として提唱するcomplex of myxomas,spotty pimentation,and endocrine over-activity (Carneys Complex)の診断基準をみたす.本邦では本症の報告がいまだになく,自験例が初報告と思われる.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
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