長期維持透析中に再燃した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 (Churg-Strauss症候群) の1例
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概要
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症例は57歳女性. 喘息, 発熱, 紫斑を主訴に入院. 入院の16年前に気管支喘息の診断を受け加療. 入院6年前に喘息の悪化とともに末梢神経障害, 急速進行性糸球体腎炎, MPO-ANCA陽性, 腎生検で半月体形成性糸球体腎炎を認め好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 (eosinophilic granulomatosis with polyangiitis : EGPA, 旧称Churg-Strauss症候群) と診断. 免疫抑制療法を開始され, 腎外病変は消失し, MPO-ANCA値は正常化した. しかし, 腎機能は回復せず維持透析に導入された. その後, 約5年間, プレドニゾロン5mg/日で寛解状態であったが, 感染症併発を契機にプレドニゾロンを3mg/日に減量したところ, 喘息の悪化, 末梢血好酸球増多を呈した. その後, 発熱, 紫斑とともにMPO-ANCAの再陽性化を認めEGPAの再燃と診断した. ステロイドパルス療法を含む免疫抑制療法の強化を行いEGPAは再び寛解した. ANCA関連血管炎では透析中の再燃も認められる. EGPAによる維持透析例はまれであるが, EGPAの維持透析導入例で喘息増悪や好酸球数の増加を認めた場合にはEGPA再燃のリスクが高いことを考慮しMPO-ANCAを測定する必要があると思われた.
著者
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吉原 堅
杏林大学第一内科
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山田 明
杏林大学第一内科
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川嶋 聡子
杏林大学第一内科
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磯村 杏耶
杏林大学第一内科
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要 伸也
杏林大学第一内科
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駒形 嘉紀
杏林大学第一内科
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有村 義宏
杏林大学第1内科
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石井 誠之
東大和南街クリニック
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吉原 堅
杏林大学第一内科学教室: 腎臓・リウマチ膠原病内科
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佐藤 綾
杏林大学第一内科学教室: 腎臓・リウマチ膠原病内科
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清水 英樹
杏林大学第一内科学教室: 腎臓・リウマチ膠原病内科
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佐藤 衛
太田綜合病院付属太田西ノ内病院腎臓内科
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窪田 沙也花
杏林大学第一内科学教室: 腎臓・リウマチ膠原病内科
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小西 文晴
杏林大学第一内科学教室
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池谷 紀子
杏林大学第一内科学教室
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