膵癌診断におけるERCP下膵管・胆管ブラシ細胞診の有用性
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概要
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膵癌診断におけるERCP下ブラシ細胞診の有用性を検討した。対象は膵癌14症例。胆管・膵管の選択的造影後ガイドワイヤーを挿入・留置し,細胞診ブラシを病変部へ誘導後,5回擦過し細胞診を施行した。膵液細胞診と膵管ブラシ細胞診の検体採取率は4例(31%),12例(92%)で癌陽性率はそれぞれ1例(25%),8例(67%)であった。一方,胆汁細胞診と胆管ブラシ細胞診は黄疸を呈した5例全例に施行し,癌陽性率は0例(0%),2例(40%)であった。また,胆管ブラシ陽性例の2例は膵管ブラシ施行不可例と陰性例であり,胆管・膵管ブラシの併施により癌陽性率は10例(71%)と向上した。偶発症は膵炎1例と胆管炎1例を認めたが,保存的に軽快した。以上より,ブラシ細胞診は簡便で安全に施行でき,膵癌の診断に有用と考えられる。
- Japan Gastroenterological Endoscopy Society Kanto Chapterの論文
Japan Gastroenterological Endoscopy Society Kanto Chapter | 論文
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