PEGを用いた幽門狭窄に対するStent留置例の経験
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概要
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消化管狭窄に対するstent留置術は食道狭窄を中心に広く行われているが,幽門部,深部大腸ではStent自体の長さ,弾性などの問題があり留置が困難な場合がある。我々は幽門狭窄に対してPEGを介してstentの留置を試みた。症例は72歳男性,多発肝転移を伴う幽門部胃癌にて2003年5月よりCDDP,5FU,TS-1,CPT-11などによる化学療法を施行されている。2004年1月食思不振により入院した。入院後に行った内視鏡検査で幽門狭窄を認めたためstent留置を行うこととし,まずpull法に準じてPEGを施行した。1週後にバルーンを用いて狭窄部の拡張を行った後PEGを抜去し,瘻孔周囲の胃壁固定術を付加し,瘻孔からbare-stentを幽門部に挿入留置した。幽門狭窄に対するstent留置を経口的に行う場合,stentの長さが不足したり胃内でstentがたわみ十分な力の伝達が困難で留置が困難な場合が少なくない。我々はあらかじめPEGを施行し,瘻孔を用いることで幽門部に容易にstentを留置することが可能であった。
- Japan Gastroenterological Endoscopy Society Kanto Chapterの論文
Japan Gastroenterological Endoscopy Society Kanto Chapter | 論文
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