治療により臨床症状と内視鏡所見が著明に改善した腸管アミロイドーシスの1例
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概要
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症例は1996年慢性関節リウマチ(RA)と診断された57歳女性。4ヶ月にわたる下痢を主訴に1997年12月入院した。消化管内視鏡検査では特に横行結腸に炎症が強く,潰瘍性大腸炎類似の多発小潰瘍を認め生検にて十二指腸,結腸,直腸にアミロイド沈着を認めた。また,血清アミロイドA蛋白(SAA)の上昇と免疫組織化学染色でAmyloid A component陽性により,RAに続発したAAアミロイドーシスと診断した。メソトレキセート(MTX),コルヒチン,さらにプレドニゾロン(PSL)の投与を行い炎症所見の鎮静化と消化器症状の改善をはかり,約半年後退院した。1998年12月の内視鏡検査では直腸から全結腸にわたり粘膜所見はほぼ正常に復し,病理組織学的にアミロイド沈着の減少を認めた。腸管アミロイドーシスの病態を考慮する上で貴重な症例と考え報告する。
- Japan Gastroenterological Endoscopy Society Kanto Chapterの論文
Japan Gastroenterological Endoscopy Society Kanto Chapter | 論文
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