月隕石LAP02205とNWA479の鉱物学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
LAP02205は最近南極から発見された月隕石で、結晶質の組織を示している玄武岩である。現在までに発見されている月の石の大部分は角レキ化した組織を示しているため、この隕石を分析することにより、月の玄武岩の結晶化過程に関する新たな情報が得られると期待される。現在までに発見されている月隕石を輝石、カンラン石、斜長石などの鉱物組成で比較すると、LAP02205はその中でもNWA032/479に最もよく似ていることが明らかになった。しかしながら、LAP02205とNWA479では、組織が大きく異なっていて、これらの違いは、冷却速度の違いを反映していると考えられる。また、アポロ計画で得られたサンプルの中でこれらの隕石と似ている組織・鉱物組成を示しているのは、アポロ12号のイルメナイト玄武岩である。本研究では、アポロ12号のイルメナイト玄武岩とLAP02205/NWA479の比較も行い、両者の結晶化過程の類似点・相違点についても議論を行う。
- 日本鉱物科学会の論文
日本鉱物科学会 | 論文
- シリケイトメルト中の水の拡散
- 岡山市北西部, 日近花崗閃緑岩体の岩石記載および全岩化学組成
- 高エネルギー陽子マイクロビームによる鉱物中の水素定量分析法の開発
- 日本海竹島海山(仮称)のかんらん岩捕獲岩の成因とその意義
- 高輝度 高指向 連続光・直線偏光の単結晶X線回折への恩恵