諸国の地形図における地図記号の比較考察
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概要
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本研究ではグラフィックデザインの立場からの国際化に対応し、 外国人も使いやすい地図を提案するため、諸国の官製地形図を対象に比較考察を行った。特に本研究で注目したのは地図記号である。まず、アジアとヨーロッパ、北米の計13カ国14地域における地形図から地図記号が載ってある凡例を収集した。次に、地図記号の形状や表現する対象の性質等から7つのカテゴリを設定し、その中で建物や構造物に関わる記号に研究の範囲をしぼった。さらに、地図記号の様々な視覚要素のうち、特に記号の形態を比較考察の対象に設定した。それから諸国の地形図から今回の考察対象に該当する建築物や構造物関連の記号を選び出し、整理表を作成した。考察結果、地図記号にはその国・地域の生活や価値観、文化などが反映されていると考えられた。これは、地図記号のデザインは容易に変更できないものであり、社会的容認と検証が必要であることと受け止められることでもあった。しかし、益々国際化が進み、国籍を問わずあらゆるユーザーへの配慮が社会的に求められている以上、地図でもより人々の利便性を高めるための取り組みが必要と考えられた。従来の地図記号の見直しや新たな地図記号の開発、そして表記上の工夫などが、その第一歩と考えられたのである。
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