村落における空間秩序・空間演出に関する調査・研究
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概要
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近代以前において、村落は村人の人生におけるおよそあらゆる営みが展開する場であった。村落は、人びとにとって物質的拠所であると同時に精神的拠所であり、村人は村落空間に一定の秩序を構築、伝承してきた。本研究は、村落に生起した空間秩序および空間に秩序を構築する営みについて論究を行うことを目的とする。千葉県成田市台方・下方を中心とした地域における踏査を通して、年中行事や人生儀礼など象徴的習俗を把握し、その象徴性の読み解きを行うことにより、以下のことがらを明らかにした。(1)村落空間は重層的同心円構造として秩序化されている。それはさまざまな境界においてそれぞれ行われた災厄を排除する習俗に象徴されている。(2)「高・低」「右・左」といった物理的に相対する空間区分は、葬送儀礼や神社の祭礼といった死者や祖霊、神と関わる象徴的習俗において「生・死」「神・人」「日常・非日常」など、相対する概念が付与され秩序化されている。(3)村落空間が内包する秩序は人びとに影響を与え、同時に人びとは、象徴的習俗を通して秩序を更新し空間に影響を与える。すなわち村落は、人と空間がすぐれて相互作用を行った場であるといえる。
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