頸部悪性腫瘍との鑑別が問題となった異所性胸腺の1 例
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概要
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症例は日齢83 の男児.右顎下部腫瘤の精査目的で近医より当科紹介となった.超音波検査,造影MRI,造影CT,18F-FDG PET/CT(以下PET/CT)を施行したところ悪性腫瘍の可能性も否定できず,手術にて腫瘤を摘出した.術後経過は良好であり,病理組織検査にて腫瘤は異所性胸腺であった.本症はPET/CT で集積を認めることがあり,小児の頸部腫瘤に対してPET/CT を施行した際には注意が必要である.本症の術前診断は困難なことが多いが,触診上弾性軟の腫瘤であり,超音波検査やMRI において特徴的な所見を認めた際には診断が可能と考える.しかし,術前に悪性腫瘍の可能性が否定できない場合には外科的摘出術を考慮する必要がある.
- 特定非営利活動法人 日本小児外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本小児外科学会 | 論文
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