小児におけるSeldinger 法による経皮内視鏡的胃瘻造設術の検討
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概要
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【目的】周産期医療の発達により救命される患児が増加した一方で,中枢神経障害などにより経管栄養が必要となる患児が増加し胃瘻造設の機会が増えている.小児の胃瘻造設術では簡便かつ安全な手技が求められる.今回我々は,当科にて行っている胃壁固定具を用いたSeldinger 法による経皮内視鏡的胃瘻造設術(S-PEG)についてその安全性と有用性を検討し報告する.【方法】当院にて2007 年1 月から2012 年12 月までに全身麻酔下にS-PEG を施行した小児(16 歳未満)15 例を対象とし,手術時間,合併症について検討した.【結果】手術平均時間は26.9±3.7 分であった.術中合併症は認めなかった.1 例で内視鏡の透過光が確認できなかったため腹腔鏡手術に変更した.術後合併症として,固定糸周囲の肉芽形成を2 例に認めたが保存的に軽快した.チューブ交換時の合併症は認めなかった.管理中の合併症として胃瘻チューブ周囲の肉芽を4 例に認めた.胃瘻周囲の感染,胃内容液の漏れによる皮膚障害は認めなかった.【結論】当科にて行っている経皮的胃壁固定具を用いたSeldinger 法によるPEG は簡便で安全な手技と考えられる.
- 特定非営利活動法人 日本小児外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本小児外科学会 | 論文
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