腹腔鏡下に診断・治療を行った小児卵巣出血の1例
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概要
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症例は12 歳の女児.主訴は右下腹部痛.朝食後に腹痛が出現し,次第に増強したため前医を受診し,急性虫垂炎疑いにて当科紹介となった.体温37.1°C,腹部は平坦で,下腹部全体に強い圧痛及び筋性防御を認めた.腹部超音波では膀胱右側に径50 mm の内部エコー不均一な腫瘤像と周囲のecho free space を認め,造影CT では一部に造影効果を伴う腫瘤として描出された.右卵巣茎稔転を否定できず,腹腔鏡下に緊急手術を施行した.手術所見では,右卵巣は腫大し,ほぼ断裂していたが,茎捻転,腫瘍性病変は認めなかった.手術所見から卵巣出血と診断し,卵巣割面を縫合閉鎖して手術を終了した.経過良好にて術後5 日で退院となった.卵巣出血は,婦人科領域の腹腔内出血の原因としては稀ではないが,小児例は少なく,念頭にないと診断は困難である.腹腔鏡は診断に有用であると思われた.
- 特定非営利活動法人 日本小児外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本小児外科学会 | 論文
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