腸重積症として腹腔鏡的検索を行った腸管出血性大腸菌O-157感染症の2症例
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概要
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腸管出血性大腸菌O-157 による出血性大腸炎では,浮腫状に肥厚した腸管が,腸重積症類似の画像所見を呈し,その浮腫腸管を先進部とする腸重積症を続発することがある.今回,我々は初診時に腸重積症と診断され,腹腔鏡下検索を行った後に,O-157 感染が判明した年長児2 例を経験した.症例1:15 歳,男児.注腸造影検査で,造影剤の小腸への流入が不十分で重積腸管が整復されていないと判断した.症例2:6 歳,女児.注腸造影検査で腸重積の再々発を認めたために,腹腔鏡的検索を行った.いずれも盲腸から上行結腸にかけて著しい腸管の浮腫・腫脹及び発赤を認めたが,メッケル憩室,ポリープなどの器質的異常は認められなかった.術後,入院時の便培養結果からO-157 感染と診断され,保存的加療を行った.O-157 大腸炎はまれな疾患ではなく,年長児の腸重積症,あるいは腸重積症類似の所見を見た場合,O-157 感染症の可能性を考え,不要な外科手術を避けるべきである.
- 特定非営利活動法人 日本小児外科学会の論文
特定非営利活動法人 日本小児外科学会 | 論文
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