遠野周辺における花崗岩類の岩石組織からみた貫入固結条件と鉱化作用の関連
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概要
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東北日本、北上山地には多くの花崗岩体がある。その中でも最大露出面積を伴う遠野花崗岩体、またそれに隣接する栗橋花崗岩体、蟹岳花崗岩体が研究地域となる。遠野・栗橋花崗岩体にはAu,Mo,Wを伴う鉱脈鉱床があり、一方で蟹岳花崗岩体はFe,Cuを伴うスカルン鉱床があり、それぞれ異なったタイプの鉱床持っている。 これら各岩体の花崗岩をEPMAを用いて観察を行い、鉱物の化学組成分析、熱水反応で生じる反応リム(reaction rim)の大きさの測定を行った。各岩体の反応リムの大きさの平均値は遠野13.6μm、栗橋21.9μm、蟹岳35.9μmとなり蟹岳花崗岩体は3つの岩体の中でも熱水の影響をもっとも強く受ける環境下だったと考えられる。また普通角閃石地質圧力計を用いて各岩体の生成温度を求めると遠野・栗橋は3.1-3.5Kb、蟹岳は0.7-1.6Kbとなった。以上の事から蟹岳花崗岩体は浅所貫入で熱水がよく循環しているような環境下で生成したと考えられる。
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日本鉱物科学会 | 論文
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