高温高圧蛍光X線その場分析による塩水流体とマグマの元素分配
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概要
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SPring-8のBL04B1に設置されているマルチアンビル高温高圧発生装置を使用した。実験には高Mg安山岩組成に10種類の元素化合物を混合した試料を用いた。実験圧力は1.5GPaで行った。高Mg安山岩質マグマと共存する純水流体には、CsとPbがマグマよりも多く分配された。一方、NaClとKClをそれぞれ2.5モル/1kg H2O含む塩水流体には、CsとPb以外、Baも溶け込んだ。また、そのほかの元素(LaからYbまでとTh)はマグマ中には確認できたが、塩水流体には確認できなかった。Keppler (1996, Nature)は、私たちと同じ圧力条件で、ほぼ同量の(Na, K) Clを含む水溶液と安山岩メルトの元素の急冷実験を報告している。私たちのその場観察結果と同様の傾向を示す。その場観察実験を行なった結果、微量成分の分配実験は、スラブ流体が塩水流体であることを示している。
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