花崗岩の化学的風化度を見積もるための実用的な指標
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
花崗岩の岩石化学組成を使用した化学的風化指標は,多くの研究者によって提案されてきた.しかし,これらは限られた範囲(例えばボーリングコアのスケール)でしか有効でない.その理由は,花崗岩の成因に由来する組成変化を無視して,風化指標の基準となる新鮮な岩石の化学組成を常に不変と仮定することによる. そこで著者らは,従来の岩石の化学的風化指標から花崗岩の成因による組成変化を除去する実用的な方法を議論してきた.その結果,従来の風化指標の機能を損なうことなく化学的風化度をうまく見積もる方法を考案した.その方法は,縦軸に「風化作用に伴う元素の溶脱率(従来の風化指標)」,横軸に「花崗岩の成因に由来する組成変化」をとった2軸の図で解析される.今回提案する方法で,従来の多くの風化指標が広い範囲に分布する花崗岩にも適応可能となることを議論したい.
- 日本鉱物科学会の論文
日本鉱物科学会 | 論文
- シリケイトメルト中の水の拡散
- 岡山市北西部, 日近花崗閃緑岩体の岩石記載および全岩化学組成
- 高エネルギー陽子マイクロビームによる鉱物中の水素定量分析法の開発
- 日本海竹島海山(仮称)のかんらん岩捕獲岩の成因とその意義
- 高輝度 高指向 連続光・直線偏光の単結晶X線回折への恩恵