流体の局所的流入に伴う黒雲母の形成とアルカリ長石に見られる組織的特徴
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概要
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東南極リュツォ・ホルム岩体明るい岬に産する黒雲母ザクロ石片麻岩は主に、ザクロ石、黒雲母、珪線石、アルカリ長石、石英、斜長石からなる。マトリクス中のアルカリ長石にはラメラが顕著に見られる。ラメラ析出前の組成を復元しternary feldspar 温度計(Fuhrman & Lindsley, 1988)を適用したところ、825℃という最高変成温度付近の温度を得た。また、粗粒な黒雲母や、それに隣接するザクロ石の周囲に存在するアルカリ長石中には、パーサイト組織を呈する部分と、アンチパーサイト組織を呈する部分が一粒子中で隣接して存在する。また、アルカリ長石との結晶粒界で、黒雲母が鋸歯状の組織をもち、カリ長石側に突き出ていることがある。これらの組織は、局所的なH2O流体流入に伴い、アルカリ長石中のカリウムが選択的に消費され黒雲母が成長したために形成された可能性が高い。
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日本鉱物科学会 | 論文
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