外熱式DACによる斜長石の非晶質化(2)
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概要
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マスケリナイトの生成圧力は衝撃回収実験から見積もられているが,母天体における衝撃と衝撃回収実験では圧力保持時間が大きく異なる.本研究では,外熱式 DACを用いて,斜長石粉末による静的高圧実験を行い,斜長石の非晶質化圧力を検討した.回収試料のラマン分光による相同定により,斜長石の非晶 質化圧力は39 GPa (室温),38 GPa (170 ℃),32 GPa (270 ℃)以下であり,温度によって低下する傾向が見られた.ケイ酸塩の超高圧相を含む,強い衝撃を受けた普通コンドライトの衝撃温度は,ケイ酸塩の割れ目に溶融したトロイライトが散乱した組織を基に,900℃以上と考えられる.斜長石の非晶質化に対する温度,圧力保持時間の依存性を考慮すると,隕石中のマスケリナイトは25 GPa以下で生成されたと考えられ,超高圧相の安定領域から見積もられる圧力と矛盾しない.
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日本鉱物科学会 | 論文
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