天然多結晶ダイヤモンド、カルボナドの岩石組織解析
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概要
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カルボナドは、低い炭素同位体比、地殻的な鉱物包有物組み合わせと高い空隙率を特徴とする天然多結晶ダイヤモンドである。カルボナドは漂砂鉱床に産し、その起源は未だ不明である。カルボナドの岩石組織についてはこれまで、鉱物粒の形態や転位構造に関する記載はなされているが、結晶サイズ分布や結晶方位分布に関する定量的な研究は報告されていない。そこで本研究ではカルボナドの結晶サイズ分布と結晶方位分布の定量分析を行った。カルボナドを構成するダイヤモンドは1μm以下から約40μmまで変動し、結晶数密度が結晶サイズ増加に伴って指数的に減少した。また、カルボナド中の結晶がランダムな方位分布を示すことがわかった。一方で、隣り合う数個の微結晶が同じ結晶方位を示すことがしばしば確認された。また、空隙を伴う不規則な形状の結晶粒界が観察された。以上のような岩石組織的特徴から、カルボナドの成因について考察する。
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