X線発光分光法による200 GPa までのMg-ペロブスカイト中の3価鉄のスピン状態
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概要
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下部マントルの最大構成相であるMg-ペロブスカイト中の鉄の高圧下におけるスピン状態を調べるため,(Mg0.85Fe(3+)0.15)(Al0.15Si0.85)O3 組成の合成ペロブスカイト中の3価鉄について,X線発光分光法により 室温下200 GPa までの高圧下のスピン状態を測定した.測定にはダイヤモンドアンビルセルを用い,スプリングー8のBL-12で鉄のk-beta' のX線発光スペクトルを測定した. 測定の結果,Mg-ペロブスカイト中の3価鉄のスピン状態は,圧力の増加に伴い120 GPa あたりからスピン数が減少し,200 GPa では high spin とlow spin の中間状態になったが,low spin にはならなかった.これらの結果からすると,下部マントルでのMg-ペロブスカイト中の3価鉄のスピン状態は,スピン転移が正の温度勾配を持つとすると,low spin にはならないと推定される.
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