分子性有機鉱物イドリアライトにみられる離溶組織
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概要
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多環芳香族炭化水素 (Polycyclic Aromatic Hydrocarbons: PAHs)鉱物の一種であるイドリアライト (C22H14: ピセン)の鉱物組織について詳細な観察を行い、非晶質有機物とイドリアライト結晶によって構成されるラメラ状組織を見出した。非晶質部およびイドリアライト部について、顕微赤外線吸収スペクトルを測定した。その結果、前者にはカルボニル基やヒドロキシル基を持った極性分子が含まれており、後者には、ピセン分子を主成分をした、非極性分子が含まれていることが判明した。この結果は、有機分子の極性の有無、すなわち結合様式の違いによって、結晶化する際に極性分子と非極性分子が分離し、ラメラ状組織が形成されたことを示唆している。
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日本鉱物科学会 | 論文
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