ラマン分光法他を用いた太古代・原生代チャートに見られる微生物化石類似組織の鉱物学的検討
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概要
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太古代オーストラリア・マーブルバーチャート(34.6億年前),及び原生代カナダ・ガンフリントチャート(19億年前)の岩石学的な基本的記載を行い,その中で見られた特異な構造・組織について形態学的・化学的・鉱物学的な視点から観察・検討した.また,これら特異構造のうち特に希少なものにラマン分光法を適用し,試料非破壊のままその成分を分析,鉱物種を同定した.各試料中に見られた特異な組織・構造には,その形態が過去に生物化石として報告されているものと良く類似しているものが複数種存在する.さらに,マーブルバーチャートには黒色バクテリアフィラメント類似形状・赤色ワーム類似形状の特徴的な二重構造が見られた.これらはラマンスペクトルにおいて1350cm<SUP>-1</SUP>,1580cm<SUP>-1</SUP>のピークを示し,有機物であると考えられる.これら「微生物化石」類似構造の記載データの蓄積を図り,その生物起源の可能性について考察する.
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日本鉱物科学会 | 論文
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