粉末X線回折を用いた結晶構造解析におけるデータ前処理・指数付け
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概要
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現在、約6万種類の無機結晶物質がPDF2databaseに登録されており、その内の約37%が原子配列未決定の物質である。構造未決定物質の多くは、粉末状でしか得られず、また単相で分離出来ない事が多い。本研究においては、結晶構造未知物質を対象とした、粉末X線回折法による結晶構造解析における指数付けのためのデータ前処理方法・モンテカルロ法を応用した指数付けアルゴリズムを用いたソフトウェアの開発と研究を行った。相分離に関して、Fe2O3とAl2O3を様々な比率で配合した混合粉末試料に対して適用したところ、正しい指数が付いたと共に高い精度で格子定数を計算することに成功し、各相の構造を正しく決定する事が出来た。指数付けに関して、現在までのところ独立した格子パラメータが四つまでであれば(単斜晶系)7割以上の確率で正しい格子定数が導き出せた。今後の課題は、三斜晶系の物質に対する指数付けである。
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日本鉱物科学会 | 論文
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