左反回神経に生じた顆粒細胞腫の1例
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概要
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症例は42歳の女性。甲状腺峡部の15mmの甲状腺乳頭癌および左外側区域のリンパ節転移に対し,甲状腺全摘および左側D2a郭清を施行した。術中,左反回神経に径10mmの表面平滑な紡錘形の白色腫瘍を認めた。腫瘍の一部を切除し病理に供したところ,術後に顆粒細胞腫と判明した。顆粒細胞腫の大多数は良性であるが,時に悪性の経過をたどるため,完全摘出が望ましい。しかし,本症例では術後に反回神経麻痺を認めず,病理でも悪性所見を認めなかったことから,追加切除せずに経過観察している。術後1年半の時点で腫瘍の増大や反回神経麻痺は認めていない。
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Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgery | 論文
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