再発甲状腺腫による出血性下行性食道静脈瘤に対して甲状腺全摘を施行した1例
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概要
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症例は66歳,女性。50歳時にバセドウ病に対して甲状腺左葉部分切除を施行。経過観察中に甲状腺腫大を認め,チアマゾール内服を継続していた。吐下血を主訴に近医受診。食道静脈瘤からの出血を認め,内視鏡的静脈瘤結紮術を施行された。その後の検査で巨大甲状腺腫からの血流による食道静脈瘤と診断され,加療目的に当科紹介・転院となった。前頸部に10cmを超える甲状腺腫大を認め,甲状腺全摘術を施行した。腫大した甲状腺は極めて血流豊富で,特に右Berry靭帯周囲では,気管膜様部から食道に向かう怒張した静脈を数本認めた。術後第6病日に上部消化管内視鏡検査を行い,食道静脈瘤の著明改善を確認した。巨大な甲状腺腫大を呈する症例の診療に際しては,下行性食道静脈瘤が存在している可能性を念頭に置いておく必要があると考えられた。
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Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgery | 論文
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