小児甲状腺の細胞診
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概要
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伊藤病院における最近20年間の15歳以下の甲状腺腫瘍性病変で,穿刺吸引細胞診(FNA)が行われ,その後甲状腺を切除した31例(腺腫様甲状腺腫5例,濾胞腺腫10例,濾胞癌4例,通常型乳頭癌3例,びまん性硬化型乳頭癌2例,濾胞型乳頭癌2例,充実型乳頭癌5例)を対象に細胞形態の検討を行った。充実型乳頭癌ではFNAで特徴的な所見は捉えられなかった。びまん性硬化型乳頭癌では多数の砂粒小体,扁平上皮化生である程度推定可能と思われる。今回の検討では症例がなかったが,小児例の多い篩状モルラ型乳頭癌では,濾胞状あるいは乳頭状,管状の細胞集塊が観察され,集塊辺縁には細胞のほつれがあり,核形の不整がみられることで推定される。また,腺腫様甲状腺腫で核腫大の目立つ例があったが,これが小児に多く認められる所見かどうかは今後の検討課題である。
- Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgeryの論文
Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgery | 論文
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