「特集2.小児甲状腺癌」によせて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
東日本大震災(2011年3月11日)に伴う福島第一原発事故後3年が経過しようとしている。小児の甲状腺癌の発生が危惧され,社会的な関心が高まっている。小児の甲状腺癌についての医療関係者間での共通の理解が必要と考えられる。しかし,小児甲状腺癌は稀な疾患であるため,過去の基礎データの整理が十分になされていない。チェルノブイリ原発事故(1986年4月26日)では,事故後4~5年から小児の甲状腺癌が発症していることから,小児甲状腺癌についてのコンセンサス形成が急がれる。本特集では,小児甲状腺癌の理解に必要な基礎的事項を整理するとともに,これまでの小児甲状腺癌の臨床について解説する。具体的には,日本国内の小児甲状腺癌の病理学的ならびに遺伝学的な特徴と問題点を整理する。小児甲状腺癌の臨床として,術前診断の良悪判定の要となる細胞診断,さらに小児濾胞癌と小児乳頭癌の臨床について総説する。小児の甲状腺癌についての内分泌・甲状腺外科医の間のコンセンサス形成の一助となれば幸いである。
- Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgeryの論文
Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgery | 論文
- 「多発性内分泌腫瘍症診療ガイドブック」発刊にいたるまで
- がん終末期医療の対応に苦慮した若年甲状腺乳頭癌患者の1例
- Radiation therapy in the held of endocrine Surgery
- 当センターで治療経験した家族性非髄様甲状腺癌(familial nonmedullary thyroid cancer:FNMTC)症例の検討
- 再発甲状腺腫による出血性下行性食道静脈瘤に対して甲状腺全摘を施行した1例