腎移植後遷延する副甲状腺機能亢進症に対するPTxの治療効果および腎機能の検討
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概要
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腎移植後,腎機能の改善とともに,腎性副甲状腺機能亢進症(腎性HPT)により上昇していたintact PTHは低下する。しかし腎移植前に透析歴が長い症例では移植後も高カルシウム(Ca)血症を呈する例が少なくない。特に腎移植前に著しい副甲状腺の腫大を認める場合,腎移植後も持続性HPTを呈する可能性が高いことは想像できる。この場合,腎移植後も副甲状腺摘出術(PTx)を考慮する必要があると考える。今回腎移植後も遷延する24例のHPTに対してPTxを施行した。術後血清Ca,P,ALP,intact PTHは全て統計学的に有意に改善した。PTxは腎移植後のHPTの治療に有効であると考えた。また推算GFR(eGFR)は,術後3カ月では統計学的に有意差は認めなかったが,1年後ではeGFRの低下を認めた。移植腎喪失は認めなかったが,透析期にPTxの適応のある症例では移植前にPTxを積極的に推奨する必要があると考えた。
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