転移性副腎腫瘍の病態と手術
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
副腎は肺癌,腎細胞癌,大腸癌,乳癌からの転移をきたしやすい。副腎外の悪性疾患が存在し,かつ,副腎に腫瘤が認められる場合には1)機能性副腎腫瘍,2)非機能性副腎腺腫,3)転移性副腎腫瘍,4)副腎皮質癌の4通りを考える。種々の内分泌学的検索が陰性でCTで内部や辺縁が不整,FDG-PETでSUVMaxが亢進していれば転移性副腎腫瘍を疑う。単発・孤立性であること,摘出により治癒または延命がある程度期待されること,外科的侵襲が許容される範囲内に留まること,の三要件が満たされれば手術を考慮する。腹腔鏡手術適応のコンセンサスは定まっていない。副腎腫瘍組織は被膜が脆弱であるため術中播種をきたしやすく,熟練した術者以外は腹腔鏡手術を避けるべきである。国内外より転移性副腎腫瘍に対する外科治療のアウトカムが報告されているが,5年生存率は概ね20%前後で,原疾患による癌死が多い。更なる取り組みが必要である。
- Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgeryの論文
Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgery | 論文
- 「多発性内分泌腫瘍症診療ガイドブック」発刊にいたるまで
- がん終末期医療の対応に苦慮した若年甲状腺乳頭癌患者の1例
- Radiation therapy in the held of endocrine Surgery
- 当センターで治療経験した家族性非髄様甲状腺癌(familial nonmedullary thyroid cancer:FNMTC)症例の検討
- 再発甲状腺腫による出血性下行性食道静脈瘤に対して甲状腺全摘を施行した1例