「特集2.乳癌診療の未来」によせて
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概要
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乳癌診療は,2000年にPerouらによってintrinsic subtypeが発表されて以来,これを念頭に置いて全体の治療戦略を考えていく必要性が広く認知され,この10年間で大きく変化してきたといえる。整容性も考慮した確実な局所療法としての外科手術と放射線療法に,内分泌療法,化学療法そして分子標的治療を的確に組み合わせていくのが今日の乳癌治療戦略であるが,このような状況を踏まえて,第24回日本内分泌外科学会総会では,「乳癌診療の未来」として,治療全般にわたる近未来から将来に向けた研究展望を発表・討論するシンポジウムが開催された。このシンポジウムでは乳房温存手術における正確な病巣把握のための新規補助診断技術,乳癌内分泌治療とくにアロマターゼ阻害剤をめぐる最新情報,エストロゲンレセプター陽性乳癌におけるmicroRNA研究,トリプルネガティブ乳癌に対する治療戦略,乳癌の嫌気的環境を標的とした新規腫瘍選択的治療のトランスレーショナルリサーチが発表されたが,本特集ではこれら5演題についてそれぞれ執筆していただき,さらにシンポジウムでは取り上げることができなかった放射線治療の進歩についても書き加えていただいた。この特集により,乳癌治療の進歩に向けてさらなる展望が開けることを期待する。
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Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgery | 論文
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