腹腔鏡下針生検にて診断しえた副腎原発悪性リンパ腫の1例
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概要
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副腎原発悪性リンパ腫は稀な疾患であり,予後不良とされるために迅速な確定診断が求められる。診断は超音波やCTガイド下針生検や開腹手術での摘出生検であるが,困難な症例も存在する。61歳の女性,検診にて両側副腎に腫瘤性病変を指摘され当院紹介。sIL-2R 5,470U/mlと高値も,機能性副腎腫瘍を示唆する所見はなかった。画像検査では両側副腎に巨大な腫瘤性病変を認めた。PET検査での全身検索では両側副腎以外に異常集積を認めなかった。副腎原発の悪性リンパ腫を疑ったが,超音波やCTガイド下針生検では安全域を担保するのは難しく,切開生検においても腫瘍が巨大であるために摘出は困難であると考えられた。そのため,鏡視下に腫瘍を確認しつつ確実に組織が採取でき,かつ開腹生検に比べ低侵襲である腹腔鏡下での副腎針生検を施行した。病理診断にFACS解析を加え,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫との診断を得た。
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Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgery | 論文
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