肝細胞癌に併発した囊胞性褐色細胞腫の1例
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概要
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症例は56歳,女性。5年前に慢性B型肝炎を指摘されるも未治療であった。上腹部痛を主訴に近医を受診し,肝細胞癌と右副腎転移巣からの出血が疑われ,当院紹介入院となった。腹部造影CTおよびMRIでは,肝S2に充実性腫瘤と右副腎に囊胞性腫瘤を認めた。入院第3病日に動悸・発熱がみられた。高血圧・意識障害も出現し,多臓器不全に至りPheochromocytoma multisystem crisisと診断した。人工呼吸管理下に薬物療法および持続的血液濾過透析を行い,全身状態は改善した。131Ⅰ-MIBIシンチグラフィで,右上腹部に集積像を認め,肝細胞癌および右囊胞性褐色細胞腫瘍の診断で右副腎摘出術を施行した。肝細胞癌に対しては,肝動脈塞栓療法および化学療法を施行したが,術後11カ月目に肝不全のため死亡した。
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Japan Association of Endocrine Surgeons・Japanese Society of Thyroid Surgery | 論文
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