潰瘍性大腸炎に合併した肛門病変 ─第2報─ 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班 外科系プロジェクト研究外科系関連施設・肛門科施設のアンケート調査結果
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概要
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厚生労働科学研究 難治性疾患克服研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班の外科系関連施設と日本大腸肛門病学会肛門科専門医の勤務する病院に潰瘍性大腸炎に合併した肛門病変に関するアンケート調査を行った.研究班外科系施設で2,932例,肛門科施設で2,365例の潰瘍性大腸炎が集計され,肛門病変合併率はそれぞれ8.6%,21.4%であった.病変の内容については,研究班外科系施設では瘻孔・膿瘍が多く,術前病変の52.5%,術後病変の73.3%を占めた.一方,肛門科施設では,術前では痔核が多く(55.7%),術後では瘻孔・膿瘍が多かった(55.3%).瘻孔・膿瘍は,いったん発症すると潰瘍性大腸炎根治術後にも再燃する恐れがある.また女性の直腸膣瘻が研究班外科系施設で1.1%にみられており,女性患者の下部直腸・肛門前壁に強度の炎症がみられる場合には,特に注意が必要である.潰瘍性大腸炎における肛門病変は決して稀な病態ではなく,その存在を念頭においた日常診療が大切である.
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