高エネルギ加工された単結晶ダイヤモンド工具の表面改質
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概要
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ガリウム(Ga)をイオン源とする収束イオンビーム(FIB)によって加工を施された単結晶CVDダイヤモンド(100)面と,ダイヤモンド工具の被削材として一般的なアルミニウム(Al)との反応性の評価を,加工後の表面改質処理なし,真空加熱処理,水素プラズマ曝露処理を施した場合について,エネルギ分散型X線分析装置などにより行った.表面改質処理なしの場合,Al膜を形成した後,加熱することで加工面残留していたGaが,加熱のみの場合に比べて速く減少する傾向が見られた.また加速電圧が20~30kVの場合では673K以上で,加速電圧10kVの場合では773Kで加熱された加工面は,水酸化ナトリウムによるエッチングで除去されないAlの存在が確認された.このことから,Alの被削材に対してFIBによって形成された刃先をもつダイヤモンド工具を表面改質処理なし使用する場合,少なくとも673K以上になるとダイヤモンド工具刃先でAl材料との固着が起こりうることが示唆された.また,FIB加工後に1373Kで1時間の真空加熱,1200Kで1時間の水素プラズマ曝露の表面改質処理を行った加工面では,Al膜形成後に573Kから773K加熱を行ってもAl,Gaの残余は見られなかった.
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社団法人 砥粒加工学会 | 論文
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