重症患者の栄養療法に起因する代謝性有害反応:エネルギーの過剰投与による筋タンパク異化と栄養ストレス
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概要
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【目的】本研究では、エネルギーの過剰投与が筋タンパク異化および栄養ストレスに与える影響について検討した。【対象及び方法】対象は、当院ICUに入室した患者のうち呼吸管理を必要とする患者30名とした。エネルギー消費量を測定し、投与エネルギー量と比較して投与不足となっている群 (U群)、両者がほぼ一致している適正群 (A群)、過剰投与となっている群 (O群) の3群に分け比較検討した。【結果】尿中クレアチニン量による補正尿中3-メチルヒスチジン値及び尿中ノルアドレナリン値はU・A群に有意差はなかったが、O群では有意に増加していた。さらに、尿中3-メチルヒスチジン値と尿中ノルアドレナリン値の間に相関関係が認められた。【結論】エネルギーの過剰投与により筋タンパクの異化が亢進するとともに、ノルアドレナリンの分泌に伴う栄養ストレスが筋タンパク分解を促進させることが明らかとなった。
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