酸性経腸栄養剤を用いた経腸栄養カテーテル閉塞機序の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】流動性が低く酸性の半消化態栄養剤ファイブレンYH®(以後、YHと略)を、細菌増殖と凝固、カテーテル(以後、カテと略)閉塞に関して他の(非酸性の)半消化態栄養剤と比較検討した。【方法】(1)E. coli、E. faecalis、K. pneumoniaeを栄養剤内培養し、経時的に細菌数、PHを測定、栄養剤凝固の有無を観察した。(2)空腸瘻から栄養剤を持続投与、カテ閉塞を観察した。【結果】】(1)対照3種の栄養剤では3菌種とも経時的に増殖し、24時間でPHは約1低下し、凝固が観察された。YHでは細菌数は低下し、24時間でPHは4から変化せず、凝固も認めなかった。(2)YH持続投与21症例ではカテ閉塞は認めず、観察期間は5~61日(平均21日)であった。対照の栄養剤では9例中8例(89%)が2~28日で閉塞をきたした。【結語】粘調な栄養剤YHはカテ閉塞をきたさなかったことから、カテ閉塞の原因は栄養剤の細菌汚染によるPH低下に続く凝固が一因であると考えられた。YHはカテ閉塞がなく細いカテーテルでも使いやすい製剤である。
- 日本静脈経腸栄養学会の論文
日本静脈経腸栄養学会 | 論文
- 必要エネルギー量の算出法と投与の実際 各種病態におけるエネルギー,基質代謝の特徴と,至適エネルギー投与量(肝障害,腎障害)
- 酸性経腸栄養剤を用いた経腸栄養カテーテル閉塞機序の検討
- 山形大学病院における栄養アセスメントシステムの構築
- 粘度調整食品を用いた経腸栄養の胃食道逆流に伴う誤えん性肺炎の予防と患者のQOLに対する長期的影響
- がん患者の栄養管理 晩期がん病態改善のための栄養管理と食事指導