ラットを用いた酸性半消化態流動食の胃排出に関する検討
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概要
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経管栄養時の胃食道逆流の発生に栄養剤の胃内滞留量が関与すると考えられている。そのため、本試験ではラットを用いて酸性半消化態流動食の胃排出を、類似の栄養組成をもつ中性半消化態流動食と比較評価した。流動食固形分の胃排出は中性半消化態流動食より酸性半消化態流動食の方が速かった。さらに、胃内容物の液相部分の胃排出には両者に差はなかったが、固相部分の胃排出は中性半消化態流動食より酸性半消化態流動食の方が速いことが示唆された。そこで各流動食の人工胃液消化試験を行ったところ、中性半消化態流動食では酸によるカード化のため、凝固物の形成が認められたのに対し酸性半消化態流動食では認められなかった。以上の結果から、酸性半消化態流動食は中性半消化態流動食と比較して胃排出が速く、その理由の一つとして、酸性半消化態流動食では中性半消化態流動食で観察される胃内でのカード形成が起こらないことが考えられた。
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