消化器がん治療におけるグレリンの機能解明とその臨床応用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
グレリンは主に胃で分泌・産生され、中枢投与でも末梢投与でもその効果を発揮する唯一の摂食促進物質である。上部消化管術後では血中グレリン値が低下し、血中グレリン値低下と体重減少が相関することから、われわれは上部消化管術後にグレリン投与を行うことで、上部消化管術後に特徴的な経口摂取量の低下や体重減少が抑制できるかどうかランダム化比較試験を施行して検討した。胃全摘術後および食道亜全摘+胃管再建術後にグレリンを投与することで食欲が亢進し、経口摂取量が増加し、その結果、術後早期の体重減少が抑制された。またシスプラチンを含む化学療法施行例では早期に血中グレリン値が低下し、血中グレリン値の低下と化学療法に伴う食欲低下・経口摂取量の減少は相関した。このように消化器がん、特に上部消化管がん治療においてはグレリンの機能を十分に解明し、それを臨床応用につなげることが患者QOL向上のために重要である。
- 日本静脈経腸栄養学会の論文
日本静脈経腸栄養学会 | 論文
- 必要エネルギー量の算出法と投与の実際 各種病態におけるエネルギー,基質代謝の特徴と,至適エネルギー投与量(肝障害,腎障害)
- 酸性経腸栄養剤を用いた経腸栄養カテーテル閉塞機序の検討
- 山形大学病院における栄養アセスメントシステムの構築
- 粘度調整食品を用いた経腸栄養の胃食道逆流に伴う誤えん性肺炎の予防と患者のQOLに対する長期的影響
- がん患者の栄養管理 晩期がん病態改善のための栄養管理と食事指導