栄養投与の電解質異常にもたらす効果 : 神戸大学Nutrition & Electrolyte Support Team (NEST) 症例の解析
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概要
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【目的】神戸大学医学部附属病院では、低栄養に加えて電解質異常の管理も患者の予後に重要な影響を及ぼすとの観点からNutrition & Electrolyte Support Team (NEST) として活動している。本研究では、栄養投与と電解質異常の改善の関連を明らかにするため、栄養介入前後を比較し解析を行った。【対象及び方法】対象は2006年8月から2009年5月までNESTが介入した症例で電解質を測定している315名。対象をHariris-Benedictの式に基づき算出された必要エネルギー量の投与状態によって、必要量を投与できた群 (良好群) と投与できなかった群 (不良群) に分け、介入前後における栄養状態および電解質異常の改善について解析した。【結果】栄養介入前後で、両群ともに腎機能の変化はみられなかった。良好群では不良群に比べ栄養指標がより改善しており、電解質異常についてはナトリウム、リン異常の症例について良好群では不良群に比べ異常値が改善していた。【結論】十分な栄養投与は一部の電解質異常の改善に寄与することが示唆された。また、電解質異常の種類によって栄養投与との関連性に違いがあることがわかった。
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