Polaprezincの投与により、多血症・血小板減少症を来した肝硬変の1例
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概要
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症例は65歳女性。非代償性肝硬変にて、高アンモニア血症を認めており、2009年4月より、亜鉛含有薬であるPolaprezinc150mg⁄日の投与を開始した。投与前のヘモグロビン(Hb)値は11g⁄dL台、血小板(Plt)値は8×10<SUP>4</SUP>⁄μL程度で推移していたが、投与23日後には、RBC 686×10<SUP>4</SUP>⁄μL, Hb 23.1g⁄dL, Ht 63.9%,Plt 2.6×10<SUP>4</SUP>⁄μLと、多血症・血小板減少症が認められた。同薬剤の中止から1週間後には、Hb•Plt値は、Polaprezincの投与前と同程度の値となった。Polaprezincの投与による、肝硬変患者の多血症の報告は、これまでにみられていないが、本例では、亜鉛の補充によるインスリン様成長因子I(IGF-I)の造血作用の亢進が、多血症の発症機序である可能性が推測された。
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