頭頸部がん放射線治療時に発生する口腔粘膜炎による有害事象に対するグルタミンリッチの栄養剤:GFOの有用性についての検討
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概要
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口腔がんに対する放射線治療を行った患者6名にGFO®を照射期間中に投与し、GFO®を投与しなかった8名を対照群として比較検討した。GFO®投与群では口腔粘膜炎の症状が軽度であり投与群全症例で照射終了時まで経口摂取が可能であった。照射前後での白血球数、好中球数、リンパ球数およびC反応蛋白量は、GFO®投与群で有意に低かった。また血中アルブミン値およびアルブミン⁄グロブリン比はGFO®投与群で有意に高かった。食事摂取量ではGFO®投与群で摂取量の減少が抑えられた。また、照射前後での体重変化率ではGFO®投与群で低下が抑制される傾向が見られた。グルタミンは抗炎症・抗酸化作用を有し、ファイバー・オリゴ糖は腸管免疫の賦活作用を有することから、GFO®の投与が放射線性口腔粘膜炎の症状を軽減させるのに有効であることが示唆された。
- 日本静脈経腸栄養学会の論文
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