経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)後症例におけるn‐3系多価不飽和脂肪酸(α‐リノレン酸)高含有経腸栄養剤の長期投与による脂肪酸分画の検討
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概要
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【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(以下、PEGと略)を施行した症例は、経腸栄養剤によって長期間栄養管理される場合が多い。今回n-6/n-3系多価不飽和脂肪酸(以下、PUFAと略)の比が低く設定された経腸栄養剤を使用し、その栄養評価と脂肪酸分画を長期的に比較し、その意義を検討した。【対象及び方法】PEGルートの投与によって栄養管理を実施している完全経腸栄養施行中の18症例に対して、n-3 PUFAの含有量が他剤よりも比較的多い半消化態経腸栄養剤ラコール®を使用し、脂肪酸分画の推移を平均して132±54日間で比較した。【結果】n-3 PUFA分画の血中α-リノレン酸、ドコサペンタエン酸は有意に増加し、n-6 PUFA分画ではリノール酸が有意に減少を示した。全体としてn-6/n-3 PUFAは有意に減少を示した。【結論】n-6、n-3 PUFAの長期間投与による観察の報告は現在までに数少なく、長期投与の結果で、その経腸栄養剤の組成が体組成に影響を与えることが明らかになった。基準に合致した脂肪酸分画を含有している栄養剤のみを投与することは血中脂肪酸も同様な挙動を示した。
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日本静脈経腸栄養学会 | 論文
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