経皮内視鏡的胃瘻造設術後に結腸皮膚瘻を形成した1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は82歳、男性。主訴は意識障害と下痢であった。既往には脳梗塞があり、また1999年に胃癌にて幽門側胃切除術が施行されていた。2005年3月16日、他院にて経口摂取が困難となったことから経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy;以下、PEGと略)が施行された。同年6月4日に主訴を認め、精査目的に当院に紹介となった。腹部CT検査及び下部消化管内視鏡にて横行結腸内に胃瘻バンパーを認めた。PEG施行時に形成された結腸皮膚瘻と診断した。胃瘻チューブを抜去したところ、腹膜炎は生じず、瘻孔は自然閉鎖した。その後、経皮経食道的胃管挿入術を施行した。結腸皮膚瘻はPEGの稀な合併症ではあるが、重篤な病態を引き起こす可能性があり、PEG施行に関しては十分な術前評価と慎重な施行が必要であると考えられた。また、PEG施行困難症例には、その他の手技を考慮することが肝要であると思われた。PEG後に結腸皮膚瘻を形成した1例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
- 日本静脈経腸栄養学会の論文
日本静脈経腸栄養学会 | 論文
- 必要エネルギー量の算出法と投与の実際 各種病態におけるエネルギー,基質代謝の特徴と,至適エネルギー投与量(肝障害,腎障害)
- 酸性経腸栄養剤を用いた経腸栄養カテーテル閉塞機序の検討
- 山形大学病院における栄養アセスメントシステムの構築
- 粘度調整食品を用いた経腸栄養の胃食道逆流に伴う誤えん性肺炎の予防と患者のQOLに対する長期的影響
- がん患者の栄養管理 晩期がん病態改善のための栄養管理と食事指導