療養病床入院中の高齢者における半固形栄養を用いた経管栄養管理
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概要
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【目的】半固形栄養が普及しつつあるが、その適応や方法、効果や安全性の評価が待たれる。<BR>【対象及び方法】当院で半固形栄養を用いた72例で、誤嚥性肺炎や下痢などの改善率、合併症とその発症率を検討した。<BR>【結果】誤嚥性肺炎防止のため使用した50例で、60%(30例)が改善、繰り返す誤嚥性肺炎の既往が認められた重症例42例でも、62%(26例)が改善した。液体栄養を併用し、6000~8000cPまで粘度を下げても、改善率は64%(18/28例)で、併用しない群の改善率55%(12/22例)と比較し有意差は認めなかった。難治性下痢では、80%(12/15例)に水様性下痢の改善が認められた。胃瘻からの胃液漏れでは、57%(4/7例)に胃液漏れの減少が認められた。<BR>【結論】半固形栄養を、患者の病態に合わせ使用することによって、肺炎などの重大な合併症を軽減し、患者のQOLを改善し、ケアを効率化できる可能性がある。
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日本静脈経腸栄養学会 | 論文
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