高カロリー経腸栄養食品の変更が血清カリウムに与えた影響 重篤な低カリウム血症に陥った症例の反省から
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概要
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経腸栄養食品は製品により栄養成分や組成率、電解質濃度が異なる。当施設において経腸栄養食品を変更した後から低K血症を認めた患者が多発したことから、約半年間の経時的な電解質変化の検討を行った。対象は濃厚経腸栄養食品アイソカル2K<SUP>TM</SUP>からMA2.0<SUP>TM</SUP>に変更した症例16名。熱量・水分投与量に変更はなかったが、血清K値は有意な低下傾向を認めた(p<0.001)。その中には積極的なK補充が必要となった症例や重篤な腎機能の悪化を認めた症例が1例含まれた。血清Na、Cl値に変化は認めず、変更時の肝腎臓にも異常を認められなかったことから、血清Kの低下した原因として摂取量の不足と栄養組成バランスの変化が考察された。経腸栄養へ依存している患者において、経腸栄養の選択によっては重篤な電解質異常を来す可能性があり注意が必要である。同時に定期的な血液検査は不可欠であると思われた。
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日本静脈経腸栄養学会 | 論文
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