胆道閉鎖術後の慢性肝障害患児に対する微量元素,抗酸化ビタミン補助飲料を用いた抗酸化療法
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概要
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【目的】微量元素ならびに抗酸化ビタミンを含有する補助飲料の摂取によって、酸化ストレス及び肝機能の改善が可能か否かを検討することを目的とした。<BR>【対象と方法】胆道閉鎖症術後患児12例を対象に微量元素、抗酸化ビタミン含有飲料Vクレスα<SUP>® </SUP>(ニュートリー(株);三重県四日市市)を3ヶ月間投与した。血中Manganese-Super-oxide-dismutase(以下、Mn-SODと略)濃度が慢性肝機能障害患者における酸化ストレスの鋭敏な指標の1つと考えて、Mn-SOD濃度の高値群と正常値群の2群に分け、その投与効果を検討した。<BR>【結果】高値群、正常値群ともに、投与前に正常値下限以下であった血中Selenium(以下、Seと略)濃度は有意に正常域まで上昇した。高値群の尿中8-IsoprostaglandineF2α(以下、8-Isoprostaneと略)値は投与後に有意な低下を認めた。肝機能及びTypeIV collagen値は両群間で明らかな変化は認められなかったが、insulin like growth factor-1(以下、IGF-1と略)値は高値群で投与3ヶ月後に有意に上昇した。<BR>【結論】胆道閉鎖症術後患児に対する微量元素・抗酸化ビタミン含有補助飲料の投与は、高度の酸化ストレス状態にある患児の生体膜酸化障害の軽減に有効である可能性が示唆された。
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日本静脈経腸栄養学会 | 論文
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