侵襲期栄養管理のトピックス 1)Immunonutrition 2.Immunonutritionの臨床効果 日本でのエビデンスを中心に
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概要
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特別な栄養法によって宿主の生体防御能を高め、感染症の発生を低下させたり、生存率を改善したりするなど、いわゆる臨床的outcomeの改善を期待する栄養法がimmunonutrition(免疫賦活栄養法)と呼ばれている。アルギニン、ω-3系不飽和脂肪酸、核酸など、免疫能を高めるとされる栄養素を豊富に含む経腸栄養製剤(immune-enhancing enteral diet:IED)の投与は、今やimmunonutritionの代名詞となっている。IEDを用いると、待機手術患者の感染性合併症発生率が約50%減少することが欧米の多くの報告で示されている。一方、救急領域における臨床効果は病態によっていまひとつ一貫した結果が得られていない。最近本邦でもIEDに関する研究成果、特に待機手術に関するデータが蓄積されつつある。これらを集積して多数例で検討すると、IEDの術前投与群では非投与群に比して術後感染性合併症発生率が有意に低くなっていた。我が国の待機手術症例でも欧米の検討とほぼ同様の臨床効果が得られることが示唆された。
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日本静脈経腸栄養学会 | 論文
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