嚥下障害入院患者における経腸栄養流動食L‐8による血中微量元素の変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
嚥下障害のある入院患者10例(男性2例、女性8例、平均年齢74.2±14.5歳(平均±SD))に8種類の微量元素を含有するL-8を6ヶ月間投与し、血中微量元素の変化を観察した。開始時に血清銅(Cu)が低値であった6例、及び正常であった4例の血清Cuは投与により有意に上昇し正常範囲を維持した。血清セレン(Se)は正常下限値以下から投与1ヶ月で有意に上昇し正常範囲を維持した。血液マンガン(Mn)、血清モリブデン(Mo)及び血液ヨウ素(I)も正常範囲内で有意に上昇したが、血清鉄(Fe)及び血清亜鉛(Zn)は投与により変化しなかった。栄養指標は良好に維持され下痢発生もなかった。<BR>食事摂取基準(2005年版)との比較から、L-8に含まれる微量元素は高齢経腸栄養患者に安全投与できると考えられた。
- 日本静脈経腸栄養学会の論文
日本静脈経腸栄養学会 | 論文
- 必要エネルギー量の算出法と投与の実際 各種病態におけるエネルギー,基質代謝の特徴と,至適エネルギー投与量(肝障害,腎障害)
- 酸性経腸栄養剤を用いた経腸栄養カテーテル閉塞機序の検討
- 山形大学病院における栄養アセスメントシステムの構築
- 粘度調整食品を用いた経腸栄養の胃食道逆流に伴う誤えん性肺炎の予防と患者のQOLに対する長期的影響
- がん患者の栄養管理 晩期がん病態改善のための栄養管理と食事指導