上腕に留置したポートによりHPNを施行した若年者クローン病の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は18歳、女性、クローン病。在宅経腸栄養法へのコンプライアンスが不良であったため、在宅静脈栄養法HPNを実施した。ポートを用いてHPNを実施する場合、前胸部にリザーバーを留置する方法が行われているが、皮膚瘢痕の問題に加え、リザーバー埋め込み部分が皮膚面から突出するという問題もあり、QOLを損なう可能性がある。本症例は若い女性であるため、特に整容上の問題およびQOLを考慮して上腕ポートという新しい方法を採用した。局所麻酔下に上腕内側で尺側皮静脈切開によりカテーテルを挿入し、皮下トンネルを介して上腕外側にリザーバーを留置した。予想以上にリザーバー埋め込み部皮膚の突出は目立たず、留置後3年が経過しているが、合併症の発生もない。現在、ポートに関しては、リザーバーを前胸部に留置するという方法がもっぱら実施されているが、上腕外側にポートを留置するという方法は、整容上の問題とQOLを考えた時、一つの有力な選択肢となると考えられる。
- 日本静脈経腸栄養学会の論文
日本静脈経腸栄養学会 | 論文
- 必要エネルギー量の算出法と投与の実際 各種病態におけるエネルギー,基質代謝の特徴と,至適エネルギー投与量(肝障害,腎障害)
- 酸性経腸栄養剤を用いた経腸栄養カテーテル閉塞機序の検討
- 山形大学病院における栄養アセスメントシステムの構築
- 粘度調整食品を用いた経腸栄養の胃食道逆流に伴う誤えん性肺炎の予防と患者のQOLに対する長期的影響
- がん患者の栄養管理 晩期がん病態改善のための栄養管理と食事指導